1回目 第1番霊山寺から第17番井戸寺まで

1998/04/29〜1998/05/04

四国遍路八十八カ所へ  次へ  1999/03/31 作成


第1日目 1998/04/29

 

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 高速バスで神戸から徳島まで、2時間、住まいは愛知県なので待ち時間をいれて合計6時間。徳島駅へ11時過ぎ、鉄道しか判りませんので、列車待ちして板東駅へ13時着。

 板東駅で降り、地図を頼りに歩き始める。連休なのに歩いている人も居ない。何もわからず不安でしたが、1番札所霊山寺の門が見える頃には、沢山の 遍路さんがいて、バスが止まっていて、私も仲間入りの気分になり、まずは安心してのスタートと なった。

 1番札所霊山寺で、杖、白衣(上着のみ)、経本、納経帳、納め札、など遍路用品を手に入れ、いよいよ、遍路初め。 白装束は、少し恥ずかしいと思い、上着のみにしたが、その上着の白衣も着られませんでした。結局、着たのは、次の日でした。

 拝礼の仕方など教えてもらい、形式通り行う事を心がけての巡礼初めです。打つ と言う言葉を覚えた。接待、お布施は断ってはいけないこと など教えてもらいました。

 本堂、大師堂で納札、賽銭、般若心経を唱え、お納経、境内を出るとき、本堂に向かい、一礼、次に向かう。

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 足は軽く、よく歩くことが出来る。2番札所極楽寺、3番札所金泉寺をお参りし、初日は早めに切り上げ。 金泉寺で宿屋を尋ねると、親切に教えてくれました。

みなさん、本当に、親切に教えてくれる。日頃は経験しないことで、自分が恥ずかしくなる。

 

第2日目 1998/04/30

 

 7時、歩き出したが、少し変だ。いつの間にか、西向きのつもりが北に歩いていた。地図と磁石を持っていたのに、確認を忘れていた。遍路道しるべが途切れて気付いた。30分のロス。

 連休で、宿が混みそうなので、公衆電話で泊の予約をする。”今、どこか”と尋ねられる。これから後も同じように、必ず、今、どこかと聞かれた。これから、泊は、当日朝、予約する事にした。

dainitiji.JPG (17353 バイト)jizouji.JPG (23602 バイト) 4番札所大日寺 少し山に入ったお寺さんです。5番札所地蔵寺へ向かう道で、また、迷う。お百姓さんに尋ねる。みなさん、よく間違えると言っていた。

 道案内の札等が無く、少し、不安になる頃、必ずある。無いときが、迷った時です。 後で知りましたが、30分道しるべが無かったら、間違いと思えとのこと。

 地蔵寺では、5百羅漢がありました。亡くなった親父に会えるかと入念に顔を見て廻ったが、居ませんでした。

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 私は、お寺のことは、ほとんど何も知りません。札所の本尊の名前位は口に出して、言うことにしようと思った。

 昼飯はいくらでも有るだろうと余り気にせず歩きましたが、とんでもない事に気付いた。ようやく食堂を見つけ、遅い昼食をとる。地図を見て食堂は予定を立てないと食事が出来ないことを知った。6番札所安楽寺への途中で、無人トマト販売所があり、1袋買う。歩きながら、食べたが実に、うまい。

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 7番札所十楽寺 8番札所熊谷寺を打って、予約の宿へ。 玄関で、しばらく休んでいると、遍路さんが次々と宿をとみえますが、満員だからと断っておかみさんが次の宿を紹介していた。夕食の時、泊めることは出来るが、人手が無いので、断ったんだなと思った。

今日は、20km弱の歩きであった。山に入るまでに、歩きに慣れておかなければ。

 

第3日目 1998/05/01

 

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 宿を出るとき、おかみさんが手をあわせて、送り出してくれた。何か、照れくさかった。

 9番札所法輪寺 田圃の中のお寺さん。着いたのが、7時少し前。すでに、納経の受付待ちのお遍路さんが居た。もうすぐ受付できますよ、と声を掛けてくれた。 白装束の見とれてしまうようなきれいな女の人でした。

 まずは、お参りが先と、お参りして戻ってみると、すでにその人は見えません。私は、急ぎ、お納経をすませ、歩き出したが、その後、会うことは出来ませんでした。車で来たのかな、逆打ちの人だったかな?そんなに時間が経っていなかったのに、不思議な気がした。 本堂と大師堂の写真を撮り忘れた。

kirihataji.JPG (23466 バイト) 10番札所切幡寺 300段の階段。11番札所藤井寺まで10kmほど、最初の長距離歩き。吉野川に架かる橋は、洪水時、水下に沈む橋でした。中州は畑、お百姓が働いていた。暴れ川なんですね。
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 ひとりで黙々と一歩一歩、歩く。我慢の連続。足は大丈夫だ。11番札所藤井寺。険しい山に入る入口のお寺さん、大きな藤棚があった。

 明日は山道で30km、早めに、宿へ入る。14時。

 

第4日目 1998/05/02

 

 同室だったり、食事が一緒だったりで、4人組が出来た。私が1番の年寄り(実は、今年還暦)、若い方が40歳位。つまり、ほぼ、同世代(と思いたい。)の人たちです。
 脚力の差は相当有りそうなので、歩きは、別々になりそうですが、次の宿は同じとした。昨夜、予約済み。

 弁当を作ってもらい、お茶を持ち、出発。 ところで、荷物は、ほぼ、10kg。宅急便で、荷物を送った人もいたが、 雨も降りそうなため、夕方には、肩が少し痛くなるが、10kg背負って行くことにした。

syousannji.JPG (26984 バイト) 12番札所焼山寺へ、昼着。約6時間。相当数の人を追い越した。平地を歩く時より、お遍路さんに会います。割合、順調に歩けた。息が切れず、話が出来る状態を保ち、1時間1回の休みを含めて自分のペースで歩いた。
 柳水庵で一服。泊まれるとのこと。此の山の中でと思ったが、実は、直ぐ、際まで林道が来ていた。しばらく行くと、一本杉と大師像と無人の堂があった。歩く山道はよく整備され、案内札が沢山あり、不安無く、歩けた。

 焼山寺からは、昔からの遍路道を下ったが、傾斜がきつく、コンクリート舗装のため、すっかり、疲れてしまい参った。宿着17時でした。
 
 宿に着くと、後と思われた仲間が、先着。聞けば、豆がひどく、ついに降参し、車に乗せてもらったとのこと。

 また、暗くなってから、若い人が車で到着。荷物が重たく、ギブアップしたとのこと。テントなどで30kgと言っていた。同室となる。

 

第5日目 1998/05/03

 

 昨夜は、何人かの飛び込みの遍路さんがあり、相部屋で詰めて寝ました。

 若い人から、なぜ、遍路しているかと聞かれてしまいました。ついに聞かれてしまった。聞かれたら、何と言おうかと、ここ数日考えていたところでした。
 何か、生意気な事を言ってしまったようです。恥ずかしいので、書けませんが、反省しています。
 若い人はお母さんを亡くし、その供養と言っていた。また、子供を交通事故で亡くした若いお父さんが、家にいると、子供のことを思いだし、居てもたっても居られなくて遍路している。そういう人もいるとも、言っていた。

 歩いている時は、足が痛くなり始めると、そのことでいっぱいになるが、それ以外は、景色を見たり、人と挨拶したり、いろいろのことを思い出し、考え、反省する事が出来るように思う。
 かって、東海道を歩いたが、富士山を1週間程度見続ける事が出来た。本当に、すてきな富士山で、忘れる事は無さそうだ。昔の旅人は、景色を見ながら、同じように何かを考えながら、歩いたんだなと思いました。

 次の宿も4人とも、井戸寺宿坊に予約。

dainitiji9805.JPG (21733 バイト)jourakuji.JPG (24345 バイト)kokubunnji9805.JPG (15792 バイト) 雨。ビニールの合羽、折り畳み傘で出発。13番札所大日寺まで8km位。
 途中で、白衣を着忘れたことを思い出す。歩きながら、公衆電話を探すがない。車の警笛が鳴るので、後ろを見ると、宿のおかみさんが、白衣を持って、追っかけて来てくれました。

kannonnji.JPG (22302 バイト)idoji.JPG (19398 バイト) 本当に、面倒見が良い、親切である事を知りました。日頃の自分が恥ずかしい限りです。

 14番札所常楽寺、15番札所国分寺、16番札所観音寺を打ち、17番札所井戸寺到着。16時到着。

 

第6日目 1998/05/04

 

 初めて、宿坊に泊まった。お勤めが昨夜あって、正座して、お経をあげてきた。建物は200人とか、300人収容できるそうです。宿泊費用は、少し安い。旅館、民宿はせいぜい10人位。

 足の裏に3カ所、小さな豆が出来、治療した。痛みは無くなった。連続6日の歩きは初めてでしたが、歩く練習をしてきた事、靴、靴下を選んだこと、などで効果があった。

 みなさん、豆には、苦労していた。私は、少し歩く自信がついた。

 4人中3人、今日、帰宅予定。 又、会えるといいね。で別れた。

 徳島駅まで8km、遍路道を行く。9時前に駅に着いたが、神戸行きバスが満員で11時まで待つことにした。連休のためとのこと。

 白衣は、脱ぎました。杖は突いて家まで帰った。

 次は、休暇の都合から、暑い盛りの7月下旬を予定。

 

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