115 第12回自然科学研究機構シンポジウム、知的生命の可能性ー宇宙に仲間はいるのかー 愛知 3km 2012/03/20 |
岡崎市にある自然科学研究機構の主催で、知的生命の可能性ー宇宙に仲間はいるのかー、というシンポジウムがあるというので、聞きに出掛けた。
会場は東京でしたが、岡崎コンファレンスセンターに同時中継されたので、これに参加した。 100名近い人が集まっていた。やや難しかったが、おもしろく1日を過ごしてきた。 |
講演パート1:最近の成果と知見に基づいた天文学からの問いかけ 1地球型惑星の頻度とドレーク方程式 田村元秀
・我らの天の川銀河には、太陽のような恒星が2000億個あるという。 ・この恒星の周りには地球のような生命を宿す(ハビタブルな)恒星は無数にあるという。 ・ドレーク方程式:天の川銀河で我々とコンタクトする可能性ある地球外文明の数を推測するため、1961年アメリカのフランク・ドレイクが考案した。 上図の、N=N*・・・・・・・・・の式です。 ・最近、3000個といわれている。それでも3000光年の間隔だそうです。 ・惑星の検出 トランジット法:惑星が恒星の前を横切る時明るさが変わるがそれを検出する。 ドップラー法:惑星が恒星の周りを公転する事により恒星がふらつく測定する。
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講演パート1:最近の成果と知見に基づいた天文学からの問いかけ 2地球型惑星におけるバイオマーカー 藤井友香(東京大学・博士課程)
・バイオマーカー:惑星が示す光の中に生命の存在の指標になり得るもの。メタン、酸素、炭酸ガス、水など。 ・若い女性の先生でした。 |
講演パート1:最近の成果と知見に基づいた天文学からの問いかけ 3知的生命探査SETIとSKA時代への期待 平林久(JAXA・名誉教授)
・太陽系外に知的文明を探る試みは、その文明が出す電波を検出しようとして始まった。 ・その試みは、SETI(セチ、Search for Extra−Terrestrial Intelligennce)と呼ばれる。 ・オズマ計画:1960年、電波望遠鏡による。 ・SKA(スクエア・キロメートル・アレー(Square Kilometre Array)):2010年以降、大きな国際電波望遠鏡計画。 **** 最近の観測に基づいた最新情報でした****
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講演パート2:地球における知的生命とその進化 1地球上で脳はどうやって進化したのか −散在神経系から集中神経系への移行過程− 阿形清和 (京都大学・教授)
・人間の立場から過去の<脳の進化>を見下ろすのではなく、逆にタイムスリップしたかのように過去の脳が出来た頃の脳から順に歴史を辿ってみる。人間中心的なものの見方を捨てることで、地球上でどのようにして脳が進化してきたかが見えてくる。 ・現存する地球上の生き物の内最も原型の脳に近い脳を持っているプラナリア(扁形動物門の左右相称動物)の脳の構造と機能から、1脳とは何か 2どのように脳は高度の情報処理をする機能を獲得したか 3どのようにして散在神経系から集中神経系を獲得したか をイメージ。 ・コンピューター社会も実は生物の脳の進化と同じプロセスを辿っている。 ・地球外の生き物も、たぶん同じようなプロセスで知を発達させている可能性が強い。
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講演パート2:地球における知的生命とその進化 2生物のコミュニケーションの発達進化について −人類学的立場から 斎藤成也(国立遺伝学研究所・教授)
・もし高度な情報伝達系を持つことが生存に有利ならば、魚類にも言語的能力を持って居るものがあっても良い。 ・魚類には世代を超えた学習は存在しない。それが存在するは鳥類と哺乳類のみである。 ・二足歩行する哺乳類には、前肢の微妙な動きを同種内でのある種のコミュニケーションに用いている。 ・手、表情の変化を使った意思疎通は霊長類ではかなり広く行われている。 ・言語を生み出した要因:二足歩行、大脳の発達、視覚の発達、咽頭構造の変化、複雑な音声の発声、手や顔による意思疎通、原始的な文法構造の発達、手把握能力の発達、原始的な音声言語の誕生、文字の発明。 ・FOXP2:文法能力を含む言語発達との関連が示唆されている遺伝子:アミノ酸配列は、他の哺乳類と数個しか違って居るのみ。猿とは2つのみ異なるという。 ****人の人たる検証****
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講演パート3:地球における知とは何か、コミュニケーションとは何か 1知の始まり:知性と環境 〜感覚・知覚の「シェアド・リアリティ」をめぐって 下條信輔 (カリフォルニア工科大学・教授)
・シェアド・リアリティ:リアリティ(現実。実在。実在性。迫真性)の共有:コミュニケーションや共感性の前提となる世界の共有。感覚・知覚の共有。 ・両眼視機能:鳥と哺乳類は進化の道筋が全く異なっていて、神経回路も異なっているにもかかわらず、立体視機能は同じ。運動系でも、鳥とコウモリ、鯨と魚類も同様。全く別の進化でも「リアリティの共有」をある程度望むことが出来る。 |
講演パート3:地球における知とは何か、コミュニケーションとは何か 2社会的知:脳機能イメージング手法を用いたヒトの社会能力の解明 定藤規弘 (生理学研究所・教授)
・人の仲間たり得る用件:コミュニケーションがとれてお互いのために働ける(利他行為)。 ・コミュニケーションは、他者と自己のアナロジー(類推、類比)を基礎としていること、視線は他者とのコミュニケーションに重要な役割を果たすこと、そして、人の利他行為において、”褒め”が重要である。 ・”褒め”は、基本的報酬や金銭報酬と同様に報酬として働き、他者視点から自己への評価を経由して利他行為を促進する。 ・進化の結果として人の社会知の基盤が、自他の相同性途中委の共有を通した他者理解である。 |
講演パート3:地球における知とは何か、コミュニケーションとは何か 3知の未来:地球外知的生命体は自身の脳の解読と制御はできるのか? 川人光男 (国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所・所長、ATRフェロー)
・最近、我々は人の脳活動を磁気共鳴画像法などを用い、脳内の情報を解読し、それを短時間出納に報酬として帰還し結果として特定の空間的脳活動パターンを誘起できた。 ・また、人の大脳皮質初期視覚野に特定の空間的な活動パターンを引き起こして、特定の視覚刺激に対してだけ知覚能力が向上する、いわゆる視覚知覚学習を導いた。 ・遂に、自身の脳の解読と制御の糸口にたどり着いた。地球外知的生命体も同様に振る舞うことが出来るだろう。 ****地球外知的生命体の推定・我らと同じらしい****
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パネルディスカッション:地球外知的生命探査における天文学・生物学・脳科学の役割 司会:立花 隆
佐藤勝彦 岡田泰伸 鳴沢真也 (兵庫県立西はりま天文台公園・主任研究員 専門:SETI、天体物理学) 斎藤成也 下條信輔 川人光男 ・司会者のひとり舞台で、おもしろくなかった。 |
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