3 35周年記念幸謡会大会   愛知

名古屋能楽堂       2004/04/25

舞台美術館の鑑賞


 

 35周年記念幸謡会、おめでとう御座います。能2番始め、楽しく見せて頂きました。
能 「東北(とうぼく)」

前シテ:女=鈴木壽太郎
後シテ:和泉式部の霊=鈴木壽太郎
ワキ:旅僧=飯富雅介
アイ:門前の者=松田高義
囃子方:笛=藤田六郎兵衛、小鼓=福井敬次郎、大鼓=川村真之介
地謡:大槻文蔵、泉泰孝ほか

 鈴木壽太郎さんは、我々の鏡が池能謡勉強会のメンバーで、素人の方です。初めての能の披露とのこと。シテと地謡(じうたい)の一部の人を除き、すべてプロの方々だ。このプロの方々の盛り上げを受けて、一曲を仕上げられた。

 (すじ) 東国の僧が京都東北院の梅を眺めていると、女が現れ、これが和泉式部の軒端の梅と教えて消える(前場)。僧がその木陰で経を読誦しているの、夢の中で、和泉式部が現れ、昔、関白藤原道長が経を読みながら門前を通ったのを聴いて、一首の歌を詠んだ。

   「門の外法の車の音聞けばわれも火宅を出でにけるかな」。

その歌の功徳によって火宅を免れ出たと語り、和歌の徳や東北院の風光を讃えて、舞を舞い、式部の臥所であった方丈に消え失せる。序の舞もの。

能 「安達原(あだちがはら)」

前シテ:里女=村井邦子
後シテ:鬼女=村井邦子
ワキ:山伏祐慶=高安勝久

ワキツレ:供山伏=椙元正樹
アイ:能供力=松田高義
囃子方:笛=武市学、小鼓=後藤孝一郎、大鼓=筧鉱一、太鼓=鬼頭義令
地謡:近藤幸江、森壽子ほか

 村井邦子さんも、我々の鏡が池能謡勉強会のメンバーで、素人の方です。能は何回目かと聞いている。シテと地謡(じうたい)の一部の人を除き、すべてプロの方々だ。思い切って、鬼を演じきりました。プロの皆さんを使って気持ちがよいこと、と思った。

 (すじ) 熊野山伏東光坊祐慶が陸奥安達原で行き暮れ、寂しい一軒家に宿を求めた。一人、老婆がいた。やがて、老婆は、焚き火の薪木を鳥に山に出かけたが、その時、留守の間、閨の内は絶対に見るなと言い置いた(前場)。

 供の能力は、密かに覗いてしまい、その恐ろしい様を、祐慶に知らせた。閨の内に死骸が累々と積まれているのを見て、これこそ安達原の黒塚の鬼の栖と驚いて、逃げ出す。

 老婆はこれを知って鬼の正体を現して、山伏を食い殺そうとしたが、山伏の祈り伏せられ消え失せる(後場)。

*能の始まり について

 囃子方が橋掛、地(じ)は切戸口からで、所定の場所を占める。この後、作り物(今回、萩小屋)が出て、続いて登場人物登場。多くの場合ワキが幕を上げ橋掛から、舞台へ出てくる。

*舞囃子 について  1曲、20分前後が多い。

 囃子方が囃し、能の舞のある一部分を、袴着物面無しで演じる。

 羽衣 山下須美子

 山姥 磯貝勝子

*仕舞 1曲、5分前後が多い。

 地のみで、能の舞のある一部分を、袴着物面無しで演じる。

 道明寺 大槻文蔵師

 

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